天ぷら

天ぷら

最近おかずに困ったら、商店街の小さな天ぷら屋さんへ。                      おいちゃんが1人で営んでいて注文したらその場で揚げて包んでくれます。
たぶん50年以上は店先で天ぷらを揚げ続けているのだろうなあと思われるおいちゃんとお店の佇まい。

今まであまり足を運ばなかったのは自転車で20分ほどかかるのと、少々シャッター商店街と化していて、 少し薄暗い雰囲気で近くの大きく賑やかな商店街と比較すると足が遠のいてしまっていたから。

天ぷらは揚がったら昔ながらの分厚い油紙のような袋に、がさっとアツアツを入れてくれて、
初めてそれを手にした時は持ち帰る数十分の時間も辛抱たまらず、アツアツを指でつまんで       フーフーしながらイワシ天を口に入れたら、ザクっとした何ともたまらない食感で、          そのままあっという間に平らげてしまい、満足感と共に、なぜ今まで知らなかったのかという      後悔の念が一気に押し寄せて、それからは毎週のように商店街へ足を運ぶことに。

店先では小学生の姉弟がおつかいで天ぷらが揚がるのを待っていて、おいちゃんと小学生たちの     ありがとう、またくるな、うんまたきてや、のやり取りを眺めていると、そのうち自分の番が来て、いわし天、えび天、白身フライ、なんきん、玉ねぎ天の入ったアツアツの袋を受け取り帰路につく。

天ぷら屋の近くのパン屋さん、豆腐屋さん、和洋菓子屋さん、電気屋さんと
どのお店も長くこの地でお店を営んでいて、まるで時間が止まっているかのようで
ぎゅんと頭をつかまれ過去に引き戻されたような何とも不可思議な感覚におちいってしまう。

ここ最近周囲が物凄い勢いで目まぐるしく新しく変化をし続けていて、それをいつもワクワク眺めながらもあまりのスピードの速さに、少々の不安を抱えてしまう事がたまにあるのですが、そんな不安な気持ちになった時、その時はまたこの商店街に天ぷらを買いに行くことにしよう。